体験から意識変革、そして行動変容へ~
浜松市危機管理課が運営する防災学習施設「はま防~家」に、この度、新しい災害体験VRシステムを導入、設置を行わせていただきました。 体験を起点とした意識変革
今回の設置では、入り口付近に新調したパネルとともにVRシステムを配置。
来館者の方々は、まず災害の疑似体験を行い、その後、浜松市の過去の災害史や防災対策、災害時の実践的な行動(簡易ベッドや仮設トイレの使用方法など)を学べる展示へと導線を設計しています。
※デバイス展示の際は、来場者の方用の案内パネル、管理者の方用マニュアルと共に、盗難防止用の設備も準備いたしております。
一般的に、防災展示は「重要だが退屈」という印象を持たれがちです。
しかし、VRによる臨場感のある災害体験を先に行うことで、その後の展示やセミナーへの受容性が大きく変わることが、私たちのこれまでの産学官での共同研究で明らかになっています。 ▶研究内容については、こちらをご覧ください。 展示・指導効果を最大化するアプローチを~既存の防災展示に新たな価値を
従来の防災展示やセミナーは、その重要性にも関わらず、来場者の方々にとって「分かっているけれど、実感が湧かない」という課題がありました。
私たちの災害体験VRは、この課題に対する革新的なソリューションとなっています。
VRによる災害疑似体験を最初に行うことで、来場者の皆様の受容態勢が大きく変化します。
その後に続く従来型の展示―ハザードマップ、避難所運営、防災グッズの展示など―への理解度が飛躍的に向上することが、実証研究で明らかになっています。
※特に今回は、浜松市の人気ご当地キャラクター「家康くん」と「直虎ちゃん」を3Dモデル化いたしました。 コンテンツの案内を行うと共に、VR体験までの心理的ハードルを下げるために貢献しています。
※360°すべてフル3DCGで作成しています。
映像の品質だけではなく、フレームレートの最適化など「VR酔い軽減」に特化した内容での開発を心がけています。
科学的根拠に基づく開発
岡山大学・岡山市消防局との共同研究により、VRによる災害疑似体験後の行動変容効果を実証してきました。
この知見を基に、単なる「怖い体験」ではなく、防災教育に直結する意識変革を促すコンテンツ設計を行っており、消防署、防災センター、自治体の防災部門など、防災指導の最前線で活躍される方々のニーズに応えるべく開発されています。
その特徴は、 ◎指導者の説明に沿った効果的な体験プログラム ◎防災講習との連携を考慮したコンテンツ設計 ◎実地訓練や避難所運営講習との相乗効果 公的機関からの評価
各方面から高い評価を得ています。 ◎内閣官房/ジャパンレジリエンスアワード2024優秀賞受賞 ◎「防災・減災xサステナブル大賞2024」奨励賞 ◎消防機関との共同研究による効果実証 ◎全国の防災学習施設での採用実績
災害体験VRは、既存の防災教育に新たな価値を付加し、より効果的な防災意識の醸成と行動変容を実現する触媒として機能しています。 テクニカルな追求
また、より多くの方に快適に体験いただくため「VR酔い」に対して、以下の技術で徹底的な追求を行っています:
フレームレート最適性確保
フレームドロップの防止
映像遅延(レイテンシー)の極小化
直感的なUIデザイン
これまで13,000人近い方々にご体験いただき、そのフィードバックを開発に反映することで、さらなる改善を重ねています。 年齢問わず、安心して、快適にご使用いただく事が出来ます。 これまで、事故、怪我等、一件もなく運用しており、また、もしもの時の保険にも加入しています。
防災教育の新しいカタチ
私たちの目指すのは、単にリアルなCGを作ることではありません。災害体験をきっかけに、防災への意識を高め、具体的な行動変容につなげていく。そのための総合的な防災教育ソリューションを提供しています。
今回の浜松市での導入を通じて、より多くの方々に効果的な防災教育の機会を提供できることを願っております。
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