錦町は、熊本県南部の球磨川沿いに位置する自然豊かな町です。
古くから球磨焼酎の産地として知られ、林業も盛んな地域です。
2020年7月の豪雨災害では大きな被害を受けましたが、地域の皆様の団結力で復興を進めてこられました。
その経験と教訓を活かし、より強靭な防災体制の構築に取り組まれているお話を、今回の視察で、お話をいただきました。
当日は、岡山大学インキュベータの会議室にて、以下の流れで視察・意見交換を実施させていただきました。
災害体験VRのデモンストレーション~MetaQuest3を使用した実際の体験
最新のVRデバイス「MetaQuest3」「PICO4」を使用し、住宅火災他、土砂、地震他シミュレーションを体験いただきました。
岡山市消防局と岡山大学との共同研究で開発したコンテンツは、実際の火災現場での煙の広がりや視界の変化を精密に再現しています。
高齢者の避難行動分析データの共有 岡山大学との共同研究で得られた、高齢者と若年層の避難行動の違いについて解説。 特に、火災認知から避難開始までの判断時間や、避難経路の選択における特徴的な差異を具体的なデータとともに提示しました。 高齢者の方々の「逃げ遅れ」の原因として多く見られる、「消火活動の試み」「その場での停止」「場所の往来」などの行動パターンについても詳しく説明させていただきました。 VR酔いを軽減する技術的な工夫の説明 体験者の快適性を重視し、以下の技術的対策を実装している点を解説。 1,安定したフレームレートの確保 2,遅延(レイテンシー)の最小化 3,先読みレンダリング技術 の活用これらにより、高齢者の方でも安心して体験できる環境を実現しています。 防災教育・医療分野でのVR活用事例紹介 全国50以上の自治体での導入実績を基に、以下の具体例を紹介いたしました。 1,愛媛県内子町での防災セミナーでの活用事例 2,長崎県南島原市での地域防災訓練との連携 3,他、能登半島地震を踏まえた防災啓発活動 自治体での導入事例 糖尿病体験VR感染症対策VR薬剤師研修VR食道がん術後ケアVRなど、実際の医療現場からのフィードバックを反映した各種プログラムの紹介。
医療従事者向けトレーニングプログラム 糖尿病体験VR感染症対策VR薬剤師研修VR食道がん術後ケアVRなど、実際の医療現場からのフィードバックを反映した各種プログラムの紹介。 産学官連携での研究成果 岡山大学・岡山市消防局との共同研究成果として、「避難行動分析システム」の開発経緯と成果を共有。この研究は内閣官房国土強靭化計画「ジャパン・レジリエンスアワード2024」で優秀賞を受賞し、その有効性が認められています。 質疑応答・意見交換 地域特性に合わせたカスタマイズの可能性 地域特有の災害リスクに対応したシナリオ開発の可能性や、地域の避難所を再現したVR空間の構築など、各地域の特性に合わせたカスタマイズについて具体的な提案をさせていただきました。 「誰でも使えること」への配慮点 操作方法の簡素化体験時間の適切な設定介助者向けの操作説明マニュアルの整備など、実際の運用を想定した配慮事項について説明いたしました。 導入・運用面での具体的なアドバイス 防災訓練への効果的な組み込み方 など、実務的な観点からのアドバイスを提供させていただきました。
これらの説明を通じて、錦町での防災教育におけるVR活用の具体的なイメージを共有できたものと考えております。
錦町の皆様からは、実際の災害経験に基づく貴重なご意見を多数いただき、今後の開発に活かせる大変有意義な機会となりました。
また当社の拠点となる岡山大学インキュベータは、大型バスでの来訪にも対応可能で、50名程度を収容できる会議室を完備しています。
今後も、防災・減災に関心をお持ちの自治体の皆様のご視察を積極的に受け入れさせていただく予定です。
最後に、遠方よりお越しいただいた錦町の皆様に、改めて御礼申し上げます。
ご質問やご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。 また、この度も、視察の受け入れ、会議室と設備の利用、大型バスでの入構について、岡山大インキュベータ、岡山大学の皆様には大変お世話になりました。 心より感謝申し上げます! ▶ 視察へのお問い合わせはこちらから
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